冬桜です。春の桜は豪華絢爛に咲き誇るイメージですが、1本だけで咲いていたせいもありますが、冬桜は凛として孤高のイメージがあります。もう20年ほど前になりますが、まだ幼稚園の子供たちを連れて家族みんなで冬の鎌倉へ出かけたことがありました。鶴岡八幡宮から鎌倉宮、瑞泉寺へと足を運んだのですが、それまで冬に咲く桜があるなんて知らずにいたので、瑞泉寺で初めて冬桜を見て感激したことを思い出します。

高村薫さんの「新リア王」を読みました。「晴子情歌」に続く三部作の2作目の作品です。すでに完結編となる「太陽を曳く馬」も出版されましたが、いずれも上下2巻400ページにもなる大作で、「新リア王」は代議士の父と禅僧の息子の政治と宗教の話のやり取りが執拗なほど濃密に細部にわたって描写されるいつもの高村調とでもいう小説です。

宗教用語や哲学的な内容も多く読みやすいわけではないのですが、ついつい読み進めてしまうところが不思議です。完結作の「太陽を曳く馬」も楽しみにしています。