ノースポールです。原産地は北アフリカです。名前のノースポール(北極)は花つきがよく、株全体をおおうほどに白く咲くところから連想されたそうです。
30年ほど前に読んだことのあるカート・ボネガット・ジュニアの「スローターハウス5を読み直してみました。
第2次大戦最大の無差別爆撃を受けたドレスデンで捕虜としてその経験をしたカート・ボネガット・ジュニアが自身の体験に基づいて書いた物語です。ドレスデン大空襲は戦後しばらくはその実態が明らかにされておらず、あまり知られていないようですが、死者135,000人といわれ、単純な比較はすべきではないでしょうが、死者数だけから言えば、広島、長崎の原爆や東京大空襲以上のものでした。

カート・ボネガットらしく重い主題をいつものSF風な物語の中で、しかしながら戦争の残忍さ、悲惨さを声高に訴えるというのではなく、死は日常のできごとだといい、頻繁に出てくる「そういうものだ(So it goes.)」というフレーズによってかえってその不条理さをよりくっきりと示しているように思います。