12月25日金曜日、約38年間の会社人生に終止符を打ちました。大学を卒業して入った会社はまだ設立したばかりのジーンズアパレルの会社でした。若い会社でかなりハチャメチャなところもありましたが、面白い会社でした。入社数年後についたコンピュータシステムの仕事がその後の仕事となりました。

その会社も業績不振から会社整理となり、その後IT関連の会社に入ってこの間まで大手のIT会社へBP社員として仕事をしてきましたが、そこでの業務も終了しての送別会でした。
今までの会社人生の中で多くの同僚や部下を退社や異動で送ってきましたが、私自身は一度も送別会で送られたことが無く、始めて送られる経験となりました。私のために同僚や上役の方も何人も出席して頂いて最後に花束まで贈られ、仕事を終えることは残念なものの、本当にうれしく感謝でした。
人と人との繋がりはその時々様々ではあるでしょうが、何らかの縁があってのことなのでしょうし、大切にしていきたいと思います。
月別アーカイブ: 2009年12月
冬桜
冬桜です。春の桜は豪華絢爛に咲き誇るイメージですが、1本だけで咲いていたせいもありますが、冬桜は凛として孤高のイメージがあります。もう20年ほど前になりますが、まだ幼稚園の子供たちを連れて家族みんなで冬の鎌倉へ出かけたことがありました。鶴岡八幡宮から鎌倉宮、瑞泉寺へと足を運んだのですが、それまで冬に咲く桜があるなんて知らずにいたので、瑞泉寺で初めて冬桜を見て感激したことを思い出します。

高村薫さんの「新リア王」を読みました。「晴子情歌」に続く三部作の2作目の作品です。すでに完結編となる「太陽を曳く馬」も出版されましたが、いずれも上下2巻400ページにもなる大作で、「新リア王」は代議士の父と禅僧の息子の政治と宗教の話のやり取りが執拗なほど濃密に細部にわたって描写されるいつもの高村調とでもいう小説です。

宗教用語や哲学的な内容も多く読みやすいわけではないのですが、ついつい読み進めてしまうところが不思議です。完結作の「太陽を曳く馬」も楽しみにしています。
アブチロン
アブチロンです。近年良く見かけるようになった花です。釣鐘型のかわいい花ですが、6月頃から咲き出してかなり寒くなったこの頃でもまだ見かけるほど花期の長い花です。
和名は浮釣木というそうで、花の特徴をうまく表わしたしゃれた名前ですね。

本の方は最近読んだ北村薫さんのミステリーで、ともにシリーズ物となっている「玻璃の天」と「朝霧」です。
「玻璃の天」の方は昭和初期を舞台にした学習院に通う令嬢・花村英子とその運転手・別宮みつ子、才色兼備で武道にも秀でたスーパーウーマン〈ベッキーさん〉が活躍するシリーズです。また「朝霧」の方はデビュー作の「空飛ぶ馬」以来の名コンビ、語り手《私》と噺家の春桜亭円紫師匠が登場するシリーズの現在のところ最新作です。

北村薫さんはデビュー当時は確か覆面ミステリー作家というか、顔を明かされなかったので、主人公がほとんど女性でしかも文体も女性的な繊細で上品な作風ということもあり、きっと女流作家なんだろうなと思っていました。その後どんな方なのか知るようになりましたが、いつも外れの無い質の高いミステリー作品を続けている出されていることはとても嬉しいことです。